5月19日、画家のホシ ミサさんをお迎えして、第21回 大人の絵遊び 500色の色えんぴつ画 重ねかさねて 草花のいのちと出会う 入門編を開催しました。
今回のモチーフは草花。各テーブルに置かれた花や花瓶は、ホシさん自らがご用意くださいました。
バラやトルコキキョウ、ラベンダーにスモークツリー。たくさんの草花は、すべてご自宅のお庭に咲いていたもの。
このみずみずしい草花を、世界一の色数といわれる500色の色えんぴつを使って描きます。
色えんぴつ画に限らず、絵を描くときは、1色で塗ろうと思わないでくださいとホシさん。
木の芽時の若葉色、夏の日差しを浴びた濃い緑、鮮やかな紅葉に冬枯れの茶色。ひとつの葉の中にも、いろんな色が入っています。緑の奥にひそむ色を、色えんぴつで重ね、想像力豊かに自由に描いてほしいとおっしゃいます。
1本の色えんぴつでも、筆圧を変えることで、10段階ほどのグラデーションが表現できます。
つまり、500色の色えんぴつなら、なんと5,000色にも!
また、色えんぴつの持ち方も、筆持ちと横持ち(ドラム持ち)とで、描くニュアンスが変わってきます。
色の重ね方も、縦塗りと横塗りとで、いろんな表情を出すことができます。
基本的なレクチャーのあと、さっそくスタート。まずは構図を決めることから。
両手の親指と人差指で四角いフレームをつくり、草花に近づけたり、離してみたり、あれこれと角度を変えて眺めてみます。
花瓶の花を描く方はもちろん、花一輪を机に置く方、手に取って描く方。
ホシさんの作品も参考にしながら、それぞれにこだわりの構図で描きはじめます。
今回の教室は美術室。
北向きの高い窓から、ホシさんいわく、安定した良い光が入ってきます。この光と影を見ながら描くと上手く描けるそうですが、それもなかなか難しく…。
そんな時は、目を細めることで、暗いところ、明るいところが見えやすくなります。また、白黒写真ならどうなるかを想像することもひとつの方法だとか。
ホシさんは、各テーブルをまわりながら、一人一人に声をかけ、丁寧にアドバイスをくださいます。
時には、自ら色えんぴつをとり、ワンポイントレッスン。
色を重ねる時には、ベースに別の色を塗っておきます。
たとえば、赤や茶色を塗ってから緑を重ねることで、より深みが出ます。
花や葉のついている所にはエネルギーがあるので、その部分を描き込むことで、全体が生き生きと見えてきます。
影を見つけて描くと、光が浮き上がります。遠慮せず思い切って…というアドバイスで、しっかり影を塗り重ねると、ぐっと奥行きが出て、立体感が出てきます。
また、自分では表現しきれなかったものを見るのも勉強と、リフレッシュタイムもかねて、他の方の作品を見てまわることに。あちらこちらで、感嘆の声も聞こえてきます。
「500色の色えんぴつを、使えるだけ使ってください」というホシさんの言葉に、さらに様々な色を使っての総仕上げ。
サインと日付を入れると作品の完成です。
最後はみんなで鑑賞会。
ホシさんが一人一人の作品を紹介してくださいます。
500色を活かした、絵本の挿し絵にしたいような作品や、ダイナミックな作品。
可憐な作品から、光と影をとらえたリアルな作品まで。
ホシさんも驚くほど、配置の感性が素晴らしい方が多く、思わず「素人ではないですね」というひと言も。
ホシさんからの温かいコメントやみんなの拍手が、嬉しくもあり、恥ずかしくもあり。
雨上がりの優しい光の中、みなさんの笑顔と色とりどりの作品が虹のように広がる一日でした。