川邊暁美さんのはじめてのオンライン体験会「朗読入門~声で握手♪伝えたい生きるちから」を開催いたしました。
オンライン受講と同時に、箕面市内会場ではリアルタイムでの上映会を実施、ライブビューイング方式でも開講する、初めての試みでした。
『3密』を避ける対策として、上映会場では参加者を少人数に限定、会場のドアと窓を開放し受講者席の間隔を開けて開催。受講者には事前の検温と、入場にあたりマスクの着用と手指の消毒にご協力いただきました。
3回シリーズの第1回目は、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」。
声のウォーミングアップのあと、ひとつの詩を分担して受講者が順番に、川邊さんのアドバイスを受けながら読んでいきます。言葉に思いをのせ、心を留めてゆったりと読む。読み終えた瞬間は、皆がひとつにつながった瞬間でもありました。
今回はみのおてならいが一昨年遠征*をさせていただいた福島県いわき市からもご参加をいただき、オンラインならではの楽しさが深まるひとときとなりました。
第2回目では、童謡詩人金子みすゞの「星とたんぽぽ」「こだまでしょうか」の2篇を朗読しました。
呼吸を整えてウォーミングアップを行い、母音の口の開き方をご指導いただいたのち、詩の一節ずつを声に出してゆきます。
金子みすゞの詩はやさしい言葉で紡がれるがゆえ、表現が難しく思われましたが、川邊さんのアドバイスを得て、似た言葉の繰り返しもそれぞれ違うニュアンスで表現できるように。
さらに朗読の楽しさ、また、川邊さんのおっしゃる『声の表現力』を増やせたことを感じられる時間となりました。
第3回目は、島崎藤村の『初恋』を朗読しました。
少年のういういしい恋心がつづられた『初恋』。ひと段落ごとに、見初めた少女との距離が縮まってゆく少年のときめきをたどるように、受講者が読み上げる声にも思いがこもります。その思いが、聴き手のイメージをもふくらませ、リンゴの樹々の向こうの二人を浮かび上がらせます。
体験会の終了後は、茶話会の時間を設け朗読発表会を開催。受講者自ら選んだ1篇を朗読し、感想を述べあう時間としました。
手紙、絵本、詩伝…選ぶ作品にも朗読する声にも、それぞれの個性が表れ、またその声によって、それぞれの物語の作者の思いが増さるようで、聴き手の心を揺り動かします。
最後には川邊さんの朗読される宮沢賢治の『注文の多い料理店 序』を拝聴。
まさに「きれいにすきとおった風」「桃いろのうつくしい朝の日光」に触れる思いがいたしました。
3回という短いシリーズではありましたが、川邊さんのおっしゃったように、文章を目で読むだけでなく声に出すことで、作品の素晴らしさ、日本語の美しさを、もう一度味わい、また新たな発見をすることができるのだということを体感し、学ぶことができました。
自分の思いを、いちばん大切な人に届けるように、声や言葉を丁寧に伝える。これからも忘れずに実践できるよう努めたいと思います。
【オンライン特別体験会】第1・2回10:30~11:30/第3回13:00~14:00
朗読入門体験会 「声で握手♪ 伝えたい生きるちから」<3回シリーズ>
2020年6月 7日(日)第1回「やさしい心と祈りの言葉~『雨ニモマケズ』(宮沢賢治)」
2020年6月14日(日)第2回「見えないものに宿るいのち~『星とたんぽぽ』(金子みすゞ)」
2020年6月28日(日)第3回「せつなく美しい恋ごころ~『初恋』(島崎藤村)」※茶話会開催